のたり、ゆくら

そぞろ歩きとビンテージカメラ。ローライやバルナックライカなど、昔のフィルムカメラでゆるく撮った写真の記録です。

黒の戦後ベビーローライがやってきた

ベビーローライは、今使っている戦後のグレータイプがあれば十分だと思ってた。使いやすいし、写りもきれいだし。でもこの前、かなり魅力的な値段で販売されている戦後のブラックベビーをたまたまウェブ上で見かけてしまった。

写真で見る外観はまあまあ綺麗そう。動作の状態はどうなんだろうと軽い気持ちで問い合わせてみると(その時点でもう引き込まれつつあるのだけど)、整備もされていて各部スムーズに動くという。

数が少ない戦後のブラックベビーローライは、大まかな感覚でいうと大体グレーベビーの二倍ぐらいの価格で販売されている。ぼくはもともとローライフレックス2.8Cを使っていたので、ベビーローライも本音を言えばグレーよりもブラックのほうにより親しみを感じている。ただ、色の違いだけで倍の値段は出せないと思っていた。

でも、今回のものはそこまで高額ではない。しかも、やりとりをしてるうちに「ブラックのタイプは、見かけは色以外グレーベビーと変わらないが、内部はフィルム送りとシャッターの機構が改善されている」なんて話が飛び出してきた。

その真偽は、素人の自分にはわからない。でも、昔のカメラは折々のタイミングで小さな改善が加えられているので、可能性としてはそういうことがあっても全くおかしくない。

このひと言は強力だった。台数の少ない希少なカメラで、性能と使用感は満足できるものだとわかっていて、この個体はかなり値頃感があり、しかもグレーベビーから見えないところでバージョンアップしている・・・。

考えてみれば、これはベビーローライの最終完成形と呼べるモデルではないか。これがローライフレックスの2.8Fや3.5Fの最終型となると、普通に30万ぐらいするのでただ眺めるだけの世界になってしまう。でも、このベビーローライならどうにか手が届くー。そんな風に、手に入れるための理由づけがどんどん頭の中で積み重なっていき、買う決心をするまであまり時間はかからなかった。

そして海を超えてやってきたのがこれ。色が違うだけで、グレーベビーとは大分と印象も違って見える。

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グレーベビーの一風変わった色合いもお洒落だけど、現物を見て、やはりぼくにはこの黒色がしっくり来ると感じた。試し撮りに行くのが、楽しみ。