何度も見返す写真集「California Surf Project」
昔、一年ほど南カリフォルニアに住んでいたことがある。Pacific Coast Highwayという、海沿いを南北に走る幹線道路のすぐそばに建つアパートの一室が当時の住まいだった。
カリフォルニアにまた行きたいとは、いつも思ってる。でも、コロナウイルスのことは別にしても今はなかなか実現できない。お金、時間、仕事、、、。まだ多少は無理できた頃に、思い切って行っておいてよかったと、心からそう感じる。
自分にとっては「夢」のような場所になってしまったカリフォルニアの雰囲気を吸い込みたくなると、この写真集を開く。
「Carifornia Surf Project」。何年も前に買ってから、飽きずに手に取って眺めている。特に、夏に向かうこの時期は。
この本は、プロサーファーと写真家の2人が、オレゴンからアメリカ西海岸を古いワーゲンバスで南下し、国境を越えたメキシコのティファナに行くまでのサーブトリップを記録したもの。
サーファーはもちろん、サーフィンをしない人でも楽しめる写真集だと思う。波乗りシーンだけでなく、大らかで広々としたカリフォルニアの風景がたくさん写されていて、その空気感がすごくいい。
これを書いている時点で、アマゾンでは一万円以上の値がついた中古版しか出品がない。レビューを見てみたら、どこの国の人かわからないけれど「ずっとカリフォルニアに行きたくて、でも自分の言葉では恋人を説得できなかったのが、この本を見せたら行くことができた」なんて英語のコメントがあった。それだけ人を惹きつける力のある写真集だと思う。
もう何年も前だけど、パタゴニアの店舗で販売されていたし(本の中には、パタゴニア本社があるベンチュラの景色も出てくる)、乗り継ぎで通ったロサンゼルス国際空港の書店に置かれていたのも見たことがある。
カリフォルニアの海沿いの魅力を、声高とかきらびやかにではなく、等身大に近い視点で伝えてくれる一冊だと思う。
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