蛇腹カメラと歩く(エンサイン セルフィックス16-20)
フォールディングカメラ(蛇腹カメラ)は、撮影の際だけレンズを繰り出すので、普段はとても小ぶり。見た目のビンテージっぽさとともに、このコンパクト感がフォールディングカメラの大きな魅力だと思う。
ポケットに入れられるぐらいのサイズは、ローライ35ほどではないにせよ、荷物を増やしたくないときには本当に助かる。そんなところが気に入って、カバンの片隅に入れて出かけることがしばしばある。
上の写真は、イギリスのメーカー・エンサインのセルフィックス16-20というモデル。120フィルムで、6 x 4.5cmの写真が16枚撮れる。
山道、細道。
種まきを待つ畑。
静かな境内。
カメラ前面のフタを開いて蛇腹とレンズを出すところから始まるので、撮影には多少の時間がかかる。フォールディングカメラは、せかせかしたときではなく、ゆったりと歩けるときに似合うカメラだと思う。
夏の終わりに(ハッセルブラッド501CM)
まだまだ暑さは続いているけれど、少しずつ秋の気配が感じられるようになってきた。
木と蔦[ローライフレックス2.8C]
大きな木の表面に細いツタが遠慮がちに伸びている、という景色がなんだか好きだ。茶色っぽいゴツゴツした木肌と、アイビーというのかな、こうしたツタの緑色の対比に惹かれるのかもしれない。
木にとって、自分に巻きついてくる植物は迷惑だということはわかってる。中には木を締め付けながらどんどん太くなるものもあって、そんなのは引き剥がすのも大変だし、放っておくといずれ木が枯れてしまうらしい。
でもこれぐらいささやかなやつならば、大きな木はあまり気にしないのでは?なんて勝手に考えてる。
暗い場所にあったりひなたにあったりで、当てにならない勘を頼りに露出を決めてシャッターを押すと、なかなかちゃんと撮れてなかったりもするのだけど。
ローライナーで花を撮る[ローライフレックス2.8C]
レンズが単焦点で交換もできないローライフレックスには、機能強化のためのアクセサリーがたくさん用意されている。中でもありがたいもののひとつが、ローライナーだと思う。
ローライナーというのは、ローライフレックス用のクローズアップレンズ。ぼくが使っている2.8CはBay3(バヨネット3)というタイプに対応していて、撮影距離が違うローライナー1, 2, 3という3種類がある。
うちにあるのは、一番被写体に寄れるローライナー3。こんなレンズを、ローライフレックスのビューレンズ、テイクレンズそれぞれにつける(左の分厚い方がテイクレンズ用)。
通常、2.8Cの最短撮影距離は3.5フィート(約107cm)。それが、ローライナー3を付けると32cm〜24cmまで近寄ることができるようになる。
風景を撮るときにはあまり必要としないけれど、たまに草花を撮りたいときにはこの距離の違いがかなりの意味を持つ。ぼくは、「どうせ使うなら一番近くまで寄れるものを」と思ってローライナー3を選んだ。これを入手したことで、撮れる写真の範囲が広がった。
どれぐらいのクローズアップをしたいのかによって、いちばん合ったローライナーの種類は変わるはず。マップカメラのネット記事などが参考になるけれど、なぜかリンクがうまく貼れない。興味のある方は、「ローライナー 撮影距離」などと検索してみてください。